相続した家の固定資産税、誰が払うの?
相続した直後でも固定資産税は発生する
親や祖父母から不動産を相続した場合、建物や土地に対して毎年課される「固定資産税」は、基本的に不動産を所有する人に課税されます。
では、相続が発生した年はどうなるのか?結論から言うと、相続した本人(または代表者)がその年の固定資産税を支払う必要があります。
納税義務は「1月1日時点の所有者」にある
固定資産税は、その年の1月1日に不動産を所有している人に対して課されます。たとえば、1月15日に相続登記が完了しても、その年の納税通知書は1月1日付の名義人(多くの場合、亡くなった人)に送られます。
しかし、実際には「相続人が代表して支払う」のが一般的です。名義が亡くなった人のままであっても、納税通知書は相続人に届くよう市町村が手配してくれることが多いです。
相続登記が済んでいなくても支払う必要あり

登記の有無は納税義務に関係なし
2024年から相続登記は義務化されましたが、仮にまだ登記をしていない状態であっても、相続人には固定資産税の支払い義務が発生します。
理由は、「遺産分割協議が終わっていない=誰が所有者かわからない」場合でも、不動産を実質的に引き継いだ相続人は「納税管理人」として責任を負うとされているからです。
複数人で相続した場合はどうする?
兄弟や親族など、複数人で不動産を相続した場合は、基本的に誰かが代表して支払います。そして、支払った人が後から他の相続人に「清算(分担)」を求める形になります。
トラブルを防ぐためには、遺産分割協議書の中に「固定資産税を誰が支払うか」を明記しておくことが望ましいです。
支払いが遅れるとどうなる?滞納リスクとペナルティ

延滞金が発生する
納付期限を過ぎても固定資産税を支払わなかった場合、延滞金が発生します。延滞金は納期限の翌日から発生し、最大で年14.6%にもなることがあります。
一時的な遅れでも、最終的には督促状が届き、それでも支払わなければ「差し押さえ」など強制執行に移行する可能性があります。
差し押さえの対象になる財産とは?
固定資産税を長期間滞納すると、以下のような資産が差し押さえ対象になります。
- 預金口座
- 給与
- 年金
- 自動車やその他の動産
また、最悪の場合、相続した不動産そのものが差し押さえられてしまうこともあるため、相続した不動産の管理・税金については早めに対処することが大切です。
支払わず放置してしまった場合の対応方法

督促状・催告書が届いたらすぐ行動
もし督促状が届いてしまった場合は、速やかに市区町村の税務課へ連絡しましょう。事情を説明することで、分割納付や納税猶予の相談に応じてもらえる可能性があります。
分割払い(納付相談)は可能
「今は一括で支払えない」という場合、市区町村に申請すれば、分割での納付や支払期限の延長が可能になることもあります。ただし、認められるには理由や実績が必要です。
必要なもの:
- 納税相談書(役所の窓口で提出)
- 本人確認書類
- 支払い計画の提示
相続したけど「登記していない」家の固定資産税は?

未登記のままでも課税されるケース
「まだ相続登記していないから税金も払わなくていいのでは?」と考えている方は注意が必要です。
不動産登記がされていなくても、市町村では「相続があった」ことを住民票や戸籍から把握しており、納税通知書を相続人へ送る体制が整っています。
つまり、登記の有無に関係なく、現実的には相続人に納税義務が発生していると見なされるのです。
未登記の家は相続・売却・解体が困難に
また、未登記のままだと次のような問題もあります。
- 売却や解体ができない(名義人が死亡しているため)
- 将来的な相続トラブルの原因に
- 税務署や市区町村との手続きが煩雑になる
固定資産税をきっかけに「相続登記の義務化」に気づく方も多く、早めの対応がおすすめです。
固定資産税を払いたくない!そんなときの選択肢

① 家を売却して納税義務から解放される
相続した家を「使う予定がない」「遠方で管理できない」という場合は、売却によって固定資産税や管理義務から解放されることが可能です。
売却すれば、その年以降の固定資産税は新しい買主に引き継がれるため、自分で支払い続ける必要はありません。
② 更地にするより売却したほうが税金が安い場合も
「家が古いから解体して更地にしよう」と考える方もいますが、固定資産税の面では逆効果になることがあります。
住宅が建っている土地は「住宅用地特例」で税額が最大6分の1に軽減されていますが、建物を解体すると特例がなくなり、税額が数倍になるケースもあります。
したがって、「解体=節税」ではなく、売却か活用をまず検討するのが賢明です。
③ 相続放棄すれば固定資産税も払わなくて済む?
「相続放棄」すれば固定資産税も払わなくてよいと誤解されがちですが、タイミングを間違えると放棄できなくなることがあります。
相続放棄は「相続の開始(死亡)を知ってから3か月以内」に家庭裁判所で申述する必要があります。また、その間に不動産の管理や税金の支払いをしてしまうと、「単純承認」と見なされて放棄できなくなることも。
放棄を考える場合は、何も手をつける前に専門家へ相談しましょう。
節税のポイント:どうすれば税負担を抑えられる?

遺産分割で特定の人が不動産を相続する
兄弟で不動産を共有相続すると、税金の支払いが不明確になりがちです。固定資産税の納付書が1通しか届かないため、誰がいくら負担するのかを巡ってトラブルになることもあります。
あらかじめ不動産を1人の名義にし、その人が納税を引き受ける代わりに現金など他の財産で調整する方がトラブルを避けやすく、実務的にもスムーズです。
納税管理人を立てる方法もある
相続人が複数いて納税窓口が定まらない場合、代表者を「納税管理人」として市町村に届け出ることができます。
これにより、市役所からの書類や請求も一本化され、管理や手続きが楽になります。
まとめ:相続したら、固定資産税も「資産管理」の一環

相続した家には、「所有する責任」として固定資産税の支払い義務が発生します。
登記が済んでいなくても、遺産分割協議が完了していなくても、現実的には誰かが支払わなければならない状況に直面します。
滞納すれば延滞金・差し押さえ・信用情報の悪化などのリスクがあり、家族間のトラブルにもなりかねません。
家を活用するか、売却するか、放棄するかを早めに判断し、納税と資産管理をスムーズに進めることが大切です。
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