相続した実家、売ったお金で親の介護費用に充てられる?
実家を相続したけど、正直使い道に困っている…
親から実家を相続したものの、「すでに自宅がある」「遠方で通えない」「将来的に住む予定がない」といった理由で空き家状態になっている方は少なくありません。
特に最近では「親が要介護状態になった」「施設入所を検討している」といったタイミングで、「この実家、売ったら介護費用に使えるのでは?」と考えるケースも増えています。
結論:相続した実家は、売却すれば介護費用に充てられます
相続した不動産を売却すれば、その売却益は自由に使うことができます。当然、親の介護費用として使うことも可能です。
ただし「誰が相続したか」「誰の名義になっているか」「売却時の税金」など、注意すべきポイントもあるため、事前に理解しておくことが重要です。
親の介護に必要なお金はどれくらい?

在宅介護の場合
厚生労働省のデータによれば、在宅介護の月額平均費用は次の通りです。
- 介護サービス費用:3〜5万円(自己負担)
- 医療費:1〜2万円
- 介護用品・日用品費:5,000円〜1万円
合計すると、月6〜8万円程度が目安になります。年間で考えると約80万円〜100万円前後が必要です。
施設介護の場合(有料老人ホームなど)
一方で、介護付き有料老人ホームやグループホームなどに入居する場合は、以下のような費用がかかります。
- 入居一時金:0〜数百万円(施設による)
- 月額利用料:15〜30万円前後
つまり、施設入所の場合は初期費用だけで数百万円、長期的に見れば1000万円以上の費用がかかることも珍しくありません。
実家を売却したときの活用例

① 売却資金で施設入所費用をカバー
最もわかりやすい活用法は、「売却益を介護施設への入居費用に充てる」という方法です。
たとえば、相続した家が800万円で売れた場合、入居一時金として200万円、月額20万円の施設なら2〜3年分の介護資金として活用できます。
② 在宅介護のサービス費用を補填
介護保険サービスの自己負担(1〜3割)や、訪問介護・福祉用具の購入などの費用に充てる方法もあります。
家を売却することで、毎月の支出が補填でき、家計にゆとりを持たせることができます。
③ 自宅のリフォーム資金として使う
親を引き取って同居するケースでは、自宅のバリアフリー化やトイレ・風呂の改修などが必要になることもあります。
売却資金を「介護しやすい住環境づくり」に使えば、在宅での介護負担を軽減することができます。
親の名義だった場合、そのまま売れるの?

相続登記が必要
親の名義で残された実家を売却するためには、「相続登記」を済ませてあなたの名義に変更する必要があります。
2024年4月からは相続登記が義務化されており、放置すると過料(罰金)を科せられる可能性もあるため、早めの手続きをおすすめします。
相続人が複数いる場合は「遺産分割協議書」が必要
兄弟姉妹など複数の相続人がいる場合は、「誰が家を相続し、売却するのか」を明確にするため、全員の合意で作成された「遺産分割協議書」が必要になります。
この協議書がないと、売却手続きが進まず、介護資金を確保するための時間がどんどん失われてしまいます。
実家を売ったときの税金はかかる?

「相続空き家の3,000万円控除」が使える可能性
相続した実家を売却して介護費用に使いたいと考えても、気になるのは「税金はかかるの?」という点ですよね。
このとき活用できるのが「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除(3,000万円控除)」です。
条件を満たせば、売却益から最大3,000万円までが非課税になるため、課税額を大きく減らすことができます。
3,000万円控除の主な適用条件
- 昭和56年5月31日以前に建てられた建物
- 亡くなる直前まで被相続人が一人暮らしだった
- 相続後に誰も住んでいない(賃貸などしていない)
- 譲渡金額が1億円以下である
その他にも細かな条件があるため、事前に不動産会社や税理士に確認しておくことをおすすめします。
注意点:売却時の譲渡所得税
控除を使っても、売却益が大きい場合には「譲渡所得税(+住民税)」がかかることもあります。
ただし、取得費や相続時の諸費用(登記費用など)を差し引けるため、課税対象は実際より少なくなるケースが多いです。
実家を売る前に確認すべき3つのポイント

① リフォームするか、そのまま売るか?
「古すぎて売れないのでは…」と不安に思う方も多いですが、実際は「古家付き土地」として購入希望がある場合も多く、リフォームせず現状のままで売却できることもあります。
逆に中途半端なリフォームを行うと、かえってコストが増え、価格に見合わないという結果になることも。
そのため「そのまま売れるかどうか」はプロに査定してもらうのが確実です。
② 不動産会社の選び方
相続不動産や空き家の売却は、通常の不動産取引と異なるノウハウが必要です。以下のポイントで不動産会社を選ぶと安心です。
- 相続や空き家売却の実績が豊富
- 親身に対応してくれる(相談しやすい)
- 査定だけでなく税金や活用方法も提案してくれる
枚方市周辺であれば、地域の不動産事情に精通している地元密着型の会社を選ぶことで、スムーズに売却が進みやすくなります。
③ 売却後の資金の管理と使い道
実家を売って得た資金をどのように管理するかも大切です。
介護施設の月額費用や在宅介護の外注費など、定期的に発生する支出を見越して、分割で使う、信託口座を使うなどの方法も検討しましょう。
まとめ:相続した実家を「親のため」に活用する選択肢

相続した実家を放置しておくと、固定資産税や管理費用がかかり続け、いずれ「特定空き家」に指定されて税負担が大きくなるリスクもあります。
それならば、今のうちに「売却」という選択肢を取り、親の介護費用や住環境の整備に充てるというのは、とても前向きで実用的な活用術といえるでしょう。
親の介護は、心身ともに負担の大きいテーマです。しかし、相続した家を活用することで、介護費用の不安を減らし、安心して見守る体制を整えることが可能です。
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