相続した家を売るときの税金はいくら?譲渡所得・特例・控除をわかりやすく解説
親の家を相続したとき、多くの人が気にするのが「売ったら税金はいくらかかるの?」という点です。
実は、相続した家を売るときには相続税と譲渡所得税の2種類が関係します。
しかも、使える特例や控除によって、支払う税金を大きく減らすことも可能です。
この記事では、相続不動産を売る際に知っておきたい税金の仕組みから、譲渡所得の計算方法、節税につながる特例や控除までを詳しく解説します。
1. 相続した家を売るときにかかる税金の種類

相続した家を売るときに関係する税金は、大きく分けて次の2つです。
- 相続税:亡くなった人の財産(家・土地・現金など)にかかる税金
- 譲渡所得税:相続した家を売って利益が出たときにかかる税金
この2つはタイミングも課税対象も全く違います。
相続税は「受け取るとき」、譲渡所得税は「売るとき」に発生します。
つまり、「相続でもらった段階」と「売却した段階」で2回税金の機会があるということです。
2. 譲渡所得税の基本構造を理解しよう

家を売って利益が出た場合、その利益(=譲渡所得)に税金がかかります。
譲渡所得の計算式は以下のとおりです。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費+譲渡費用)
ここでいう取得費とは、家を買ったときの価格や建築費、リフォーム費、登記費用などを指します。
しかし、相続した場合は購入時の金額が分からないことも多く、その際は「概算取得費(売却価格の5%)」で計算します。
たとえば、相続した家を2,000万円で売った場合、
取得費は2,000万円 × 5%=100万円とみなされます。
そして、譲渡費用(仲介手数料など)が100万円かかったとすると、
譲渡所得は「2,000万円 −(100万円+100万円)=1,800万円」となります。
3. 譲渡所得税の税率と「所有期間」に注意
譲渡所得税は、家の所有期間によって税率が変わります。
| 所有期間 | 分類 | 税率(所得税+住民税) |
|---|---|---|
| 5年以下 | 短期譲渡所得 | 約39% |
| 5年超 | 長期譲渡所得 | 約20% |
相続の場合は、被相続人(亡くなった方)がその不動産を取得した時点から期間を引き継ぎます。
たとえば、父が30年前に購入した家を今年相続してすぐ売った場合でも、「所有期間30年以上」として長期譲渡の税率が適用されます。
4. 相続不動産で使える3つの主要な節税特例

① 空き家の3,000万円特別控除
亡くなった人が一人で住んでいた家を相続し、3年以内に売却した場合、
譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。
控除額が3,000万円以内なら、譲渡所得税は実質ゼロになることもあります。
② 相続税の取得費加算
相続税を支払った場合、そのうち不動産に対応する金額を取得費に加算できます。
たとえば、相続税を300万円支払っていたら、取得費が300万円上乗せされ、課税対象が減ります。
これは「売却しても損をしにくくする」ための重要な節税策です。
③ 居住用財産の3,000万円特別控除
これは「自分が住んでいた家」を売るときの特例ですが、
相続後に実家に住んでから売るケースでは適用できる場合もあります。
ただし、空き家の特例とは併用不可なので注意しましょう。
5. 税金はいくらになる?具体的な計算例

例①:特例を使わない場合
相続した家を2,500万円で売却。
取得費(概算)125万円、譲渡費用100万円 → 譲渡所得=2,275万円。
税率20%で計算すると、税金は約455万円になります。
例②:「空き家の3,000万円特別控除」を使った場合
同じ条件でも、譲渡所得2,275万円 − 3,000万円控除 = 0円となり、
税金は0円!
つまり、この特例を知っているかどうかで400万円以上の差が出ることもあります。
例③:「相続税の取得費加算」を使った場合
相続税を300万円支払っていた場合、取得費が425万円(125+300)に上がります。
譲渡所得は2,500 −(425+100)=1,975万円。
税率20%をかけても395万円に下がり、節税効果が見込めます。
6. よくある誤解と注意点

- 「相続税と譲渡所得税は同じ」と思っている → 実は全く別。課税時期も対象も違います。
- 「名義が変わっていないまま売れる」と思っている → 相続登記をしないと売却できません。
- 「特例はいつでも使える」と勘違い → 空き家の特例は3年以内の売却が条件。
- 「確定申告をしなくても自動で控除される」 → 申請しないと適用されません。
7. 売却前に確認したい「税金対策3ステップ」
- 現状整理:相続税を支払ったか、家の築年数、居住状況を確認。
- 不動産会社に査定依頼:売却益の見込みを出して、課税対象額をシミュレーション。
- 税理士に相談:使える特例・控除を確認して売却タイミングを決定。
8. 枚方市での実例

- 楠葉エリア:母名義の空き家を相続し、2年以内に売却。空き家特例を活用し税金ゼロで売却成功。
- 長尾台:相続税を支払った後、取得費加算を利用して売却税額を約30%削減。
- 香里園:売却を4年後まで延ばしてしまい、特例が使えず約200万円の課税に。
9. まとめ:制度を知って“損しない相続売却”を

相続した家を売るときの税金は、「譲渡所得税」が中心ですが、
特例や控除を正しく使えば数百万円単位の節税が可能です。
特に「空き家の3,000万円特別控除」や「相続税の取得費加算」は知っているかどうかで結果が大きく変わります。
相続したまま放置している人は、まずは早めに査定・相談を行いましょう。
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